妊娠中に食べたいけど、好きだけど、こっちには食べても良いと書いてあるし、あっちには食べてはいけないと書いてあるし、どうしたら良いのか分からなくなっていませんか?
普段、臨床現場で多い質問がいくつかあります。1番多いのが「お刺身やお寿司は食べちゃいけないんですよね?」と言われます。正解は、食べても良いです。ただし、注意が必要です。「食べてはいけない」とされる理由には2つあります。
1つ目は、赤ちゃんに栄養が送り込まれる妊娠期ですから、母体の栄養不足になる方が多いのです。そうなると免疫力が低下してしまい、いわゆる【当たり易い状態】なんですね。通常であれば、免疫機能が働いて大丈夫な場合でも、妊娠中で免疫機能が低下している場合は、嘔吐・下痢の症状が出てしまうことがあります。どうやって判断すれば良いの?と言われますが、体調が良いこと、爪に縦や横に線が入っていたり白っぽくないこと、肌ツヤが良いこと、舌に溝やクレーター、真っ赤っぽくないことなどが挙げられます。これは、普段から妊娠中に限らず、ご自身の健康チェックにも覚えておいて欲しいポイントでもあります。
食べてはいけないと言われる理由の2つ目は、塩分と糖分が多い為、【妊娠糖尿病/妊娠高血圧】の危険性が高くなるということです。刺身には塩分が含まれており、そこに醤油をつけることで塩分摂取量が多くなります。それがお寿司となると、酢飯には砂糖と塩が含まれますので、塩分と糖分を摂取し過ぎてしまいます。食べた後や翌朝、浮腫みが出てしまう方が非常に多いです。ちなみに、浮腫みの原因は塩分だと思っている人が多いですが、糖分摂取量が多い方が浮腫み易いです。
「産む前にお寿司が食べたい」と言われる方が多いですが、体調が良く、間食も制限して、食べた後にしっかりと水を摂取する事、ジュースなどは絶対飲まないことなどの条件を守って下さり、当たっても自己責任と思って下されば、私は「食べても良いですよ」とお伝えしています。魚や貝は栄養価も高いですし、出産後は、外食なんてしばらく出来ないので、食べれるなら食べたいもの食べて欲しいと思いますし、ママが心地いい、楽しい、嬉しいという感情は、お腹の赤ちゃんにも伝わりますので、必要なことだと思います。ただし、体重管理に注意を受けた方は、ほどほどに…。
2番目に多い質問は「コーヒーは飲んではいけないのか」です。「1杯程度なら良いですよ」とお伝えしています。ただし、これにも条件があります。必ず食間にしてください。食事と一緒、特に朝食時にコーヒーを飲まれる方が多いのですが、妊娠中及び授乳中は、赤ちゃんに栄養が持っていかれる為、鉄分不足の貧血になり易い状態です。しかしながら、カフェインの成分は、鉄分の吸収を阻害する作用が強い為、食事で鉄分を摂取しようと思って食べていても、吸収がされなくなってしまいます。その為、コーヒーを飲むのであれば、食事摂取から2時間経過してから飲むようにしてください。ただ、コーヒーやたんぽぽコーヒーなど色々ありますが、どれも酸化させた物を摂取していることは忘れない様に。妊娠中、授乳中は、ママが食べた、飲んだ物から赤ちゃんの細胞が出来ていることを念頭に置いておいて下さいね。
ネットや助産師さんから「ハーブティー、特にルイボスティーは良いと言われた」と仰られることが多いです。これは、NOです。ハーブはいわゆる薬草であり、中国では漢方として使用されている物も多いです。つまり、効能があるということは副作用もあるということ。妊娠中には不向きなハーブやアロマオイルもある為、注意が必要です。更に、最近は常用的に飲んでいる方が増えたルイボスティーですが、妊娠中に摂取量が多いと、赤ちゃんが心疾患になり易いというデータもある為、オススメ出来ません。
「これはどうなの?」と不安になったら、気軽に問い合わせて頂ければ嬉しいです。
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