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抱っこはたくさんしないといけないの?


 子育ての中で、一番多い育児動作といえば「抱っこ」です。ずり這い動作が出来るようになるまでは、とにかく抱っこ、抱っこ、抱っこ・・・の日々。


 10年程前までは「抱っこは抱き癖がつくから、あまりしない方が良い」と指導を受けたり、おばあちゃんから言われたりした時代がありました。しかしながら、最近では「たくさん抱っこをしてあげてください」という指導に変わって来ています。育児には、エビデンスがあるものと、昔からのおばあちゃんの知恵袋的な知識、そして最近はSNSの普及により「なんだか分からないけど上手くいったこと」「分からないけど便利だったもの」などの情報がたくさん溢れています。エビデンスがあるものに関しては、科学的根拠に基づいて示されており、育児の中でも効果があります。おばあちゃんの知恵袋的な知識は、助産師さんたちがまだ「さんばさん」と呼ばれていた時代から受け継がれて来たもので、科学的根拠はないけれど、そこには今まで数多くの赤ちゃんとお母さんへのたくさんの愛情が感じ取れます。そしてそれは、非常に育児の中でも効果を発揮してくれます。しかしながら、核家族化が進み、更にコロナ禍の影響が拍車をかけ、SNSを通じて情報を集める産後の女性が増えてしまいました。その中には、正しい情報は少なく、残念ながら間違ったものや危険な情報も含まれています。


 抱っこに関しても、「抱っこした方が良い、してあげないといけない」「抱っこし過ぎは良くない」など情報は曖昧で、相談に来られる多くのママたちは悩まれています。一番多いのは「私の母(もしくは義母)は、抱き癖がつくと言われるが、保健師さんは、たくさん抱っこしてと言う。どうしたら良いのか分からない。」と言われるケース。違う意見に挟まれるママは、しんどいですよね。


 では、どうしたら良いでしょうか?答えは「抱っこしてあげてください」ですが、それだけではありません。ママだけじゃなく、色んな人に抱っこしてもらいましょう。ママが抱っこや授乳することで、赤ちゃんを可愛いと思える「愛着形成」というものが生まれます。これにより、ネグレクトや虐待を防ぐことに繋がります。しかしながら、ずっとママだけが頑張らなければならない状況だと、いくら可愛い我が子であっても、心と身体が疲弊してしまい産後鬱などに繋がってしまいます。産後鬱が、自分が産んだ子どもが愛せない、世話をしたいと思えない【ボンディング障害】を引き起こしてしまう可能性が高くなることが言われています。その為、【育児は独りでしない】ことを夫婦で、家族で決め事としてください。

最近は便利な抱っこ紐が多く普及しています。ですが、これにも使い方が要注意です。抱っこ及びおんぶ紐の連続使用時間は1時間です。それ以上は、産後のママの身体の負担になり過ぎますし、赤ちゃんの発達にも影響を与えてしまいます。抱っこ紐になると、赤ちゃんは筋力をほぼ使うことがありません。赤ちゃんは、寝返りやずり這い、ハイハイなどをたくさんすることで筋力をつけ、発達していきます。つまり、床の上での動作がどれだけ出来るかが大事になります。


 「泣いたら抱っこ」という手段だけではなく、抱っこ以外の方法で、床の上で赤ちゃんとどれだけ遊ぶ、あやすことが出来るかが大事になります。ここで助産師さんの出番です。なぜか助産師さんは授乳相談しかしてはいけないと思っているママが多いのが不思議ですが、前述したように、助産師さんはおばあちゃんの知恵袋をたくさんお持ちです。是非、開業されている助産師さんに会いに行って、抱っこ以外の方法で赤ちゃんと遊ぶ方法を聞きに行きましょう。取り敢えず、ママだけじゃなく、パパも、みんなで床の上で赤ちゃんと目線を合わせて寝転がってみましょう。新しい目線になって、赤ちゃんが教えてくれる新しい世界が見えるかもしれませんよ。

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