さて、今回のテーマにドキッとした男性もおられるのではないでしょうか?「いやいや、大袈裟な」と思われた方もいるかもしれません。
前回のテーマで【妊娠は病気じゃないか?】でお伝えした様に、妊娠は全身に渡り変化をもたらします。そして、妊娠・出産は命懸けです。現在は医学の進歩により出産時に亡くなる方は減少したものの、分娩時のトラブルで重篤な後遺症を患われる方も少なくはありません。 男性が妊娠し、出産したら痛みに耐えられず必ず意識を失うと言われているくらい大変なものなのです。しかしながら、その命懸けの出産を乗り越えた女性は母親として「この命を何とかして守らなければいけない」と本能で強くなる仕組みになっています。
そんな大変な状況で、妊娠中に言われた何気ない言葉や陣痛中、分娩時のパートナーの行動や言動、産後のパートナーや親族、親戚から言われた言葉が、普段なら流せる言葉も、必死な女性にとっては酷く傷つく言葉と感じるのです。
時々、「子どもが出来てから妻は変わってしまった」と寂しそうに言われる男性がいます。しかしながら、本当に変わってしまったのでしょうか? 女性の多くは、変わりたいと思って変わったわけではなく、変わらなければならなかったのです。愛するパートナーと女性と男性の関係でありたくても、命懸けで産んで、命懸けで守らなければならない小さな命が目の前にある。 その状況で、パートナーが産前と同じように携帯やゲームばかりしていたり、夜に飲みに行ったりして、父親として成長しない姿を見たら、愕然とするのではないでしょうか。
「本当は一緒にやって欲しい」
「早く少しでも帰って来て欲しい」
「何回言っても適当に返事して考えてくれない」
「大事なことを話しているのに見ているのは私じゃなく携帯ばかり」
「私は貴方の妻であり、貴方の母親ではないのに」・・・
沢山の女性の言葉として吐き出せない【寂しい】【悲しい】感情があります。 恋人だった時は素直に「寂しい」や「会いたい」が言えていた女性も、出産という人生のターニングポイントで【命を守る行為】が優先され、【自分の気持ちを素直に伝える行為】を諦めてしまいます。 そして、伝えられない素直な言葉を飲み込むことをくり返すうちに、イライラとした感情へと変化し「どうして分かってくれないの?」という怒りへと変化してしまうのです。
そう。妻を変えてしまったのは、パートナーであるあなたなのです。産後クライシスという言葉が近年よく聞くことが増えて来ました。 産後離婚に至らなくても、我慢し続けた多くの女性は熟年離婚の際に必ず産後の出来事を伝えることが多いのです。今一度、どんな夫婦になりたかったのか思い出して、相手が興味、関心があること、やって欲しいことをリサーチして、どうすれば良いか考えてみませんか? そして、家事や育児に関しても「やったつもり」ではなく「やってやった」「手伝った」という感覚は捨てて、「やって当たり前」を目指して、新人のバイトのつもりで教えてもらい覚えて行動しましょう。
是非、『イクメン』ではなく『父親』を目指して、そして大事な妻を『母親』ではなく女性として扱えるのはパートナーである自分だけだと忘れないで頂ければと思います。
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