妊娠をすると昔から職場や家庭の中で「病気じゃないから動きなさい」「私の時はそんなことで休まなかった」など言われてしまうことがあります。以前よりは理解される様になって来たものの、未だに言われる現状はあります。
これが少子化問題の一つであるとも言えます。陰で周りから言われている先輩を見て、結婚や妊娠・出産に希望を持つことが出来るでしょうか。
では、本題の【妊娠は病気じゃないか?】ですが、答えは病気ではないが、【通常とは異なる状態】であることは確かです。1つの身体でも、食べた物や睡眠時間、月経周期、ストレス、気候などでも変化し影響される女性の身体。 その1つの身体の中で2つの以上の命を育む時期である為、通常よりも大変な状況ということはご理解頂けるかと思います。
出産後にお腹周りのたるみが気になるやメディアなどの影響で骨盤矯正をしなければならないのではと思われることが多いですが、妊娠中に変化するのはそこだけではありません。
脳の細胞の数や割合の変化からホルモンバランスの変化、血管の状態、血液内の成分量の変化、内臓の位置の変化、筋肉量の変化、靭帯組織の変化による骨格の変化など言い始めたら切りがありません。
その変化から生じる不調も沢山あります。
腰痛
悪阻
浮腫
頻尿
便秘・痔
呼吸器系疾患・喘息の発症/再発
皮膚が痒くなる(妊娠線)
仙腸関節痛
恥骨痛
坐骨神経痛
背部痛
腹部痛
足関節痛
膝関節痛
妊娠高血圧
妊娠糖尿病
貧血
切迫早産/切迫流産など
場合によっては、ホルモンバランスや自律神経系への影響から甲状腺疾患を発症することがあります。
これらの症状には個人差があり必ず生じるものではありませんが、全く何も生じないことはありません。
これらの変化を知った上で、もう一度【妊娠は病気じゃないか?】を考えて見て下さい。職場での対応の仕方や声の掛け方など見直すきっかけになるのではないでしょうか。
決して妊娠した側も甘やかして欲しい訳ではありません。 自分自身が体調の悪い時にどういう対応をしてもらいたいかが答えなのではないでしょうか?
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